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富岡製糸場に住む夢を見た。

師である日比野克彦が、とうとう群馬にやって来た!
昨年末、焼きまんじゅうを必死でプレゼンテーションしたが、
「まずい。」と惜敗。
今回こそはリベンジなるかと、日比野さんと一緒に富岡製糸場に乗り込んだ!

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富岡製糸場閉館当時使われていた機械。

ところで、群馬県民の僕は、富岡製糸場に初めて来た。
社会の教科書に載っているから名前は知っていたけど、どんなところなのか、
どんな歴史があるのか、全く知らなかった。
今現在世界遺産への登録を目指している富岡製糸場は、
世界遺産暫定リストに登録されているそうな。
富士山や鎌倉と同じ!

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今回は富岡製糸場の整備活用方法を考える市の事業の専門委員会に日比野克彦がアドバイザーとして呼ばれ、レクチャーした。
日比野さんの来群馬、せっかくなので聞きに行きます。というつもりで行ったら、
なんと!パネリスト席に僕の名前が…


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日比野さんも驚いていたが、「地域とアート」という講演テーマだったので、まあ比較的話しやすかったけれど、富岡市長さんや教育委員長さんらの前で初講演しちゃいました。

上毛新聞

地元のことだったし、ひょんなことから経験してしまったパネリスト、ということもあり、地域の中でアーティストがどういうポジションを持つべきなのか、考えるいい機会になった。

もうアーティストがアトリエにこもって作品を作っていればいい時代は終わった。
世界が様々な問題を抱え込み、破綻している現代で、地域から知恵を見直し、新しい価値を発信して行く時代。
その時代に生きる1人の人間として、希薄になったコミュニティーを見直し、アイデアや行動、知恵や思いに、価値や意味、物語を付け加えて行くこと。
それがアートなのかどうかは、まだ分からないし、僕が決めることではなくて、アートであるかどうかではなくて、アーティストであることに意味がある気がするのだ。

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木造にしてこの広大な空間。
写真を撮っているのが、部屋の真ん中くらいだからこの倍くらいある。
トラス構造が十字に二重に使われているなんとかトラスという構造らしく、かっこいい。

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倉の中には当時使われていたものが残っていた。
編んだ竹に原稿用紙のようなものが貼られている。
繭玉を運ぶ時に繭玉を傷つけないようにするためらしい。

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当時の電球から電源を取っていた。

さて、この広大な空間をどのように活用することができるのか。
いったいどんなアイデアが出るんだろう。俺も何か考えてみたいな。富岡の住民と一緒になにかプロジェクトを動かせたらいいのに。
今回は時間の都合で、あまりゆっくり地元住民と話せなかったのが残念だ。

地域というのは、潤沢な資金や時間があればできるものではない。人と人が出会って、話して、動き始めるものだ。人がいて、やることができるから、場が生まれ、場所ができる。
富岡製糸場だってそうやってできた場所である。今はこの活用方法を考えているわけだから、場所に拝跪しているが、場所ありきな活用ではなく、もう一度そこに人が集まっている今の状況から、また出会い、話し、始まっていく物語に期待したい。

そして僕もその輪の中に入って、その物語に登場できたら幸せだなー。



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