井戸端ラジオプロジェクト FMゆめ団地

井戸端ラジオプロジェクト FMゆめ団地
Radio station Project, around the "IDO"  FM Yume Danchi

artist
毛原大樹×中島佑太
KEHARA, hiroki × NAKAJIMA, yuta

media
ラジオ放送局、ワークショップ
Radio Station , Workshop
size
可変
variable

note
取手アートプロジェクト2008公募選出作品



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(撮影:1、2枚目/中島 佑太、3枚目/齋藤 剛)


聴く番組ではなく、来てしゃべる放送局へ

井野団地の空き店舗スペースに、ミニFM放送局を開局した。放送局内には、井戸がある。この井戸をラジオブースとしてデザインした、ここは井戸端会議がそのままラジオ放送されるミニFM放送局である。
ミニFMは、微弱電波の範囲で放送されるため、受信可能範囲が狭く、リスナーを多くは得られない。そこで、FMゆめ団地は聴くラジオ"番組"を制作し放送するのではなく、スタジオに来て井戸のまわりでしゃべるラジオ"放送局"として位置づけた。

かつて各地で生活用水を確保するために使われていた井戸は、近年そのほとんどが上水道に変わった。水を汲みに来た奥様たちにより、井戸端で毎日開催されていたであろう井戸端会議は、井戸の減少とともに姿を消したのである。
上水道が急激に整備されることになった1つのきっかけは、団地やマンションなど集合住宅の建設ラッシュにあるらしい。集合住宅に設置された貯水タンクによって、各家庭で蛇口を回せば生活用水が得られるようになった。すると井戸の周りで毎日顔を合わせていた隣近所の住民に会わなくなり、コミュニケーションが減った。やがて隣に誰が住んでいるのかさえ分からない状況も多くなり、地域コミュニティーが希薄になっていったのではないだろうか。

そこで僕らが辿った井戸端ストーリーは、井戸を作る→井戸端会議をする→コミュニケーションができる→新しいコミュニティーができる、というものだ。

井戸を手作りすることも、ミニFMによるラジオ放送も、どこでも誰にでもできることである。では、団地という生活の場に対して、僕らFMゆめ団地ができたこととはなんだろうか。それは、住民とよそ者の僕らアーティストが共有することができた井野団地の日常に、井戸とラジオを置き、FMゆめ団地ふれあい坂スタジオと名前を付け、そっと置いといただけなのである。
たまたま井戸があったから井戸端会議が発生し、ラジオがあったからその会話が番組になっただけ。台本も、番組表も、出演予定も何も作っていない。FMゆめ団地はワークショップで出来上がったラジオ放送局なのである。

そして今はラジオ放送局は残っていない。
でももしもFMゆめ団地に流れた時間が今も井野団地に流れているなら、いつか地域コミュニティーを考え直す1つのきっかけにでもなって、そこから湧き出たコミュニケーションの水を、汲み上げるための井戸がまたできて、コンコンと湧き水の絶えない井戸端が続いていくことを願っている。


(中島 佑太)
※テキストは中島佑太の個人的見解であり、相方である毛原大樹の考えとは異なります。ご注意下さい。


毛原大樹×中島佑太|プロフィール
毛原大樹、中島佑太によるユニット。05年「FMヨコトリ」(横浜トリエンナーレ2005)をきっかけに自由ラジオをおこなう。07年-08年「コジマラジオ」、ラジオとワークショップの連動企画番組「中島☆記念日」など。

パンフレット掲載用紹介文
団地にお住まいの奥様からお子様まで、みんなで集まれるコミュニケーションの場「しゃべる井戸」をつくる。そこは聴くラジオではなく、観に来てしゃべるラジオ放送局。誰もが番組作りに携わることができ、訪れた人の井戸端会議がそのままラジオ番組になる!?



Special thanks to(敬称略、順不同)

TAPサポーター
TAP08参加アーティスト
TAP08実行委員会
取手市井野団地の皆様
黒騎士
取手市男声合唱団
山下 祐加
橘川 真
(株)プラニッツ
八幡 亜樹
伯耆田 宅助
齋藤 剛
コジマラジオ
山下 俊洋
山下 和美
中沢 有美子
佐藤家の皆様
平野 麻子

その他多くの、ご来場いただいた皆様

本当にありがとうございました。


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