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東日本大震災で被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。

さて、みんなそれぞれが自分にできることを考えていることと思います。僕もそうでした。お金はないけど、時間があったのでイッチョ体を動かしに宮城県塩竈市・多賀城市へボランティア活動しに行ってきました。少しでも復興のためになればと思い、ボランティアセンターに登録して、泥かきや使えなくなった家具の運び出しをお手伝いしました。

アーティストができること、アートができること、っていうのを、みんな考えていました。僕もそうでした。でもまずは困っている人を助けるのが先なのではないかなと思いました。すごくモヤモヤしていて、モヤモヤを抱えたまま、車中泊で多賀城市に滞在しました。すっかり面影はなくなったけど、高校野球をやっていた記憶を自信にすり替えながら、泥をかき、くたくたになって車で寝っ転がっていました。被災地を生で見て、被災者の声を聞いて、やっぱり何かがしたくなってしまう、アイデアを常に考えてしまう、モヤモヤはどんどん強くなっていきました。


滞在初日、塩竈にあるビルドフルーガスというギャラリーに前橋で集めた文房具や画材を届け、仕分け作業を手伝った後、文房具を届けに避難所に同行しました。その避難所でビルドの高田彩さんとこの救援物資のおもちゃ・本置き場を目にしました。救援物資はけっこうな量が届いていましたが、ドサッと置かれたままになっています。到底、それを整理整頓する人手などないのが現状です。
前橋のアーティストたちも現地には行けないけれど、できることがしたい、という声を高田さんに伝えました。すると高田さんから「避難所に置かれている救援物資を整理整頓する段ボールを前橋のアーティストで作れないか?」と提案がありました。余震が続き、断水があったり下水が壊れている地域では、絵の具や水を自由に使えない、被害を受けていない前橋でできることには、そういう理由もあるんだなあと思いました。このような非常事態の場合、重要なのは現地のニーズがなんなのかを知ることなんだということも知りました。テレビやラジオでは分からないことが多いのは周知のことですが、想像するだけでは追いつかないこともたくさんあります。

ボランティア活動を続けたかったので電話やメールで前橋と調整をしていましたが、やはり一度戻ることにしました。遠くの人に、現状を伝えることも、現場を見た人間にできることだし、この物語を共有してより思いのこもったものを作りたいと思ったからです。

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前橋に戻りながら色々と現地のことを思い出しながら、フワフワしたものを身につけたら心が落ち着いた」「パステルカラーの明るい色を見たときに明るい気持ちになった」という被災者の声をカラーリングコンセプトにすることを考えました。遠く(群馬県)にいるアーティストが、避難所を少しでも明るくするために、思いを絵に乗せて運ぶための段ボール箱、その箱が美術館で絵を見るような、少しでも娯楽の時間を作ってくれたらと思い、プロジェクトを「はこび」と呼んでみることにしました。

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火曜日に宮城県から呼びかけをして、水曜日に材料を準備し、木曜日と金曜日に制作をし、土曜日に塩竈に届ける、というこの強行スケジュールにも関わらず、のべ50人のアーティスト、デザイナー、学生が集まって下さいました。被災地を思う力はすごい、みんな何か自分にできることをしたくて、もどかしい思いを抱えていたんだと思います。被災地のニーズと、群馬のアーティストの思いをうまくつなぎあわせることができたんじゃないかと実感しました。

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出来上がった60個の「はこび」を持って、早速塩竈に向かい、ビルドの高田さんと地元デザイナーの篠塚さんと避難所に持って行き物資を整理しました。
張りつめて、重たい空気を、ほんの少しではありますが、和らげることができたんじゃないでしょうか?

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七ヶ浜町の避難所にも設置しました。

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被災地へ思いを運び、避難所をほんの少しだけ明るくする段ボール箱『はこび』。

日々めまぐるしく変化する現地の状況は、まだまだ苦しい長期戦が予想されています。僕たちが東日本の復興のためにできることはまだまだたくさんあるし、細くても長く続けていかなければいけません。1人1人ができることはとても小さいかもしれませんが、ほんの少しでも力になれるなら、そこに全力をかけてみる価値はあります。

今回、思ったよりも短い時間で帰って来ることになったけれど、アーティストインレジデンスをしているみたいだなあと思いました。現地でアイデアを常に考えてしまうことにジレンマも感じだけれど、アーティストにできることは、暇な時間を使って体を動かし、あわよくば現地に対してできることを想像することなのかもしれません。
そういう想像力を僕らは持っている。遠くにいる人の思いを届けられる形にする、起こっている問題をイメージ化してみんなで見て感じて考えらて行動できる形にする。
想像する力の可能性を感じた1週間でした。


今日これからアーティストの八木隆行さんとましもゆきさんと石巻に向かいます。
できることはまだまだあります。気をつけて行ってきます。

群馬県前橋市より


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